連続抜去!~戦略的萌出誘導~BLOG

こんにちは、東京都千代田区の矯正歯科専門医院・神保町矯正歯科クリニック院長の東野良治です。

 

今日は「連続抜去」をテーマにお話しいたします。

 

あまり聞きなれない名前だと思います。

 

かなり簡単に説明すると、「将来、叢生(歯並びがデコボコ)になることが予想される患者さんに対して、生え変わり途中の乳歯・永久歯を戦略的抜歯し、矯正器具に極力頼らずに歯を配列する方法」です。

 

簡単に説明したつもりでもわかりにくいですね。

 

それでは、参考動画を見てみましょう。

 

 

 

200年以上前に考えられていた方法です。

この治療方法はかなり古くから考えられており、1743年,Bounon,R.が最初にその術式を報告しています。

 

連続抜去という用語自体は、1929年,Kjellgren,B.が最初に用いたとされています。

 

100年~200年前は現在の主流であるマルチブラケット装置(ワイヤー矯正)、ダイレクトボンディング法はありませんでした。

 

このような装置がない中では、成人の重度叢生(歯並びがデコボコ)は「治療困難」症例です。

 

有益な装置(≒道具)が無いため、戦術を練るのです。

 

連続抜去法はいわゆるその戦術の一つといえるでしょう。

 

永久歯列になる前に事前に治療難度を下げるということです。

 

 

 

抜群に当てはまる症例は多くない??

かつては、現在使用する有益な装置(≒道具)が無いため、何とか戦略で対処するしかなかったと考えられます。

 

しかし、現在様々な装置があるため、適応症例は減っているものと思います。

 

要するに、早期に連続抜去するより、確実性の高い選択肢があるということです。

 

私もこれまで多くの矯正治療に関する診断を行ってきましたが、連続抜去法の診断はあまり多くありません。

 

しかし、種々の条件が合致した際には、その診断を下します。

 

その際には、抜群の効果を発揮します。

 

 

 

順番に抜歯を行うだけ??

一般的な連続抜去症例の手順は単純です。

(種々の変法が存在します。)

 

①第1段階…乳犬歯を抜く(真ん中から3番目の乳歯)

②第2段階…第一乳臼歯を抜く(真ん中から4番目の乳歯)

③第3段階…第一小臼歯を抜く(真ん中から4番目の永久歯)

 

①~③のタイミングを見計らって行う、ただこれだけです。

 

しかし、「言うは易く行うは難し」です。

 

いったん抜歯すると戻ってこないわけですから、失敗が許されないわけです。

 

将来を見据えてのこの連続抜去は高度な診断力が必要といえるでしょう。

 

また、連続抜去を行った後、短期間はマルチブラケット装置(ワイヤー矯正)による治療が必要となります。

インビザラインを使用するのもよいでしょう。)

 

それでは症例を見ていきましょう。

 

 

 

参考症例

参考症例は連続抜去変法です。

(治療前)

 

写真が見にくい方はスライドショーをご覧ください。

 

 

 

 

 

まとめ

古典的な方法ではありますが、診断力次第で抜群の効果を発揮する連続抜去法。

 

歯の自然移動を利用し、大掛かりな矯正装置を極力使用せず、好ましい位置への配列を目指します。

 

このようにシンプルな戦略は、今後も無くなることはないでしょう。

 

 

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院長:東野 良治

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投稿日:2018年8月23日  カテゴリー:子どもの矯正治療, 歯並び・かみ合わせ・矯正治療, 症例

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