E-line(イーライン、エステティックライン)~美しい口元の評価基準その1~BLOG

こんにちは、東京都千代田区の矯正歯科専門医院・神保町矯正歯科クリニック院長の東野良治です。*168-05-c1

 

本日は「E-line(イーライン、エステティックライン)」についてお話します。

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E-lineとは人の側貌“profileプロファイル横顔”を評価する一つの基準とされ、このライン内に入ることが美しい口元とされています。

 

この評価方法は1954年に矯正医ロバートリケッツRobert Rickettsが提唱したもので、現在でも用いられています。

 

具体的には、人の側貌において、鼻の先端とあごの先端を結んだ線をE-lineといい、美しい口元を持つ人は「上下の唇がこのラインに触れず、少し後ろにある」とされています。nurse.gif

(ブログ) 「E-line(イーライン、エステティックライン)」imagesポイント+文字入力ロゴ

(イラスト) E-lineイーライン1ロゴ(イラスト) E-lineイーライン2ロゴ

 

しかし、これはあくまで鼻の高い欧米人のE-line評価法であり、日本人は欧米人と比べ鼻が低いため上下口唇がともにほぼこのライン上に位置するのが美の範疇とされています。

 

また、時代によって好まれる側貌イメージが変化することもあります。

 

近年は、やや口元が後退しているのがはやりでしょうか?

 

日本成人矯正歯科学会を中心としたメンバーが選ぶE-ライン・ビューティフル大賞の受賞者の変遷をご覧ください。

 

これまでのkira01.gifkira01.gifE-ライン・ビューティフル大賞受賞者kira01.gifkira01.gif

 

         年度        受賞者

第 1回 (1990年)   MIE

第 2回 (1995年)   池上季実子

第 3回 (1996年)   藤谷美紀

第 4回 (1997年)   清水美沙

第 5回 (1998年)   佐藤藍子

第 6回 (1999年)   天海祐希

第 7回 (2000年)   宮沢りえ

第 8回 (2001年)   黒木瞳

第 9回 (2002年)   米倉涼子

第10回 (2003年)   水野真紀 「2004年は選考なし」

第11回 (2005年)   白石美帆

第12回 (2006年)   上戸彩

第13回 (2007年)   優香

第14回 (2008年)   釈由美子 「2009年は選考なし」

第15回 (2010年)   井上和香

第16回 (2011年)   小池栄子

第17回 (2012年)   武井咲

第18回 (2013年)   剛力彩芽 「2014年は選考なし」

第19回 (2015年)   吉本実憂

第20回 (2016年)   江口ともみ

第21回 (2017年)   岡田結実

第22回 (2018年)   井上真央

 

受賞者の顔ぶれをみると、やはり口元が後退している方が好まれているように思えます。kao06.gif

 

 

学術的には次のような代表的な報告があります。

日本人

・宍倉(1969年)良い顔貌             :E-lineの前方0.5㎜

・白井(1974年)調和のとれた顔貌 :E-lineの後方0.03㎜

・本橋(1977年)美しいと思う側貌 :E-lineの後方2.66±1.65㎜

 

白人

・Ricketts(1957年)E-lineの後方2mm

・Foster (1973年)E-lineの後方3.5㎜

 

上記のように、少し古い文献を紐解くと日本人が好む口元の位置はおおよそほぼE-line上でした。bye03.gif

 

しかし、やや新しい文献(1993年、日本)をみると、美しいと思われる口元の位置はE-line後方2㎜との調査結果が得られたようです。bye03.gif

「野田修司、山田建二郎:コンベックス、ストレイトおよびコンケイブタイプの側貌におけるE-lineと下口唇の位置に関する研究、九州歯会誌 47(3):377~384,1993」

 

私たち日本人の価値観が欧米人に近づいてきているということかもしれませんね。

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▶口元の変化はどの程度?

一口に、口元の変化と言われてもイメージがわかないかもしれません。

 

まずはイメージ動画をご覧ください。

(イラスト) 口元の変化2

↑口元の変化

 

 

動画にあるように前歯の後退により、口元も大きく後退します。

 

上の症例は上下顎両側第1小臼歯を抜歯し、矯正治療を行った症例です。(抜歯矯正)

 

上も下も前歯が同性同年代の平均値と比べて著しく突出していたため、機能的にも審美的にも芳しくない状態です。(また、口元の突出は口の閉じにくさにも通じ、口呼吸にもつながります。)

 

つまり、治療計画上、上下の前歯を大きく後方へ移動させる必要がある症例だったと言えます。

(すべての症例で抜歯矯正を行うわけではありません。)

 

ここで1点、注意が必要となります。

 

口元の変化予測は難しいということです。

 

歯を1mm後方移動させれば、口元も同じように1mm後方移動するわけではないのです。

 

歯(硬組織)の変化と口元(軟組織)の変化は1対1ではありません。

 

 

 

▶分析ソフトCephalometric A to Z

それではどのように口元の変化を予測するのでしょうか?

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当院では、分析ソフト『Cephalometric A to Z』を利用しています。

 

先行研究より導き出された「歯と口元との変化率」を加味して、変化量を出すことが出来ます。

(あくまで予測値です。)

 

抜歯or非抜歯の判断を必要とする症例では、このシミュレーションをその判断材料の一つとして用いることになります。

Cepharometric A to Z0

 

 

治療前

Cepharometric A to Z1ロゴ

治療後(シミュレーション)
Cepharometric A to Z2ロゴ

 

「上下顎前歯の後方移動により、口元の変化予測量を視覚的にみることが出来ます。」

 

 

 

▶まとめ

E-lineは万能な評価方法ではありません。

 

しかし、簡易に導き出すことが出来、評価基準としての信頼度も高いことから、現在も広く使用されています。

 

また、口唇の閉じやすさは鼻呼吸獲得にも関係し、見た目の改善だけではなく、口腔周囲の機能改善にもつながるのです。kaeru02.gif

 

そのため、口元をどの程度下げるかの基準「E-line」は、矯正治療の方針を決めるための非常に大切な評価方法だといえます。

 

ご自宅でも簡単にできる評価方法です。

 

自分自身を評価してみるのも面白いかもしれませんね。

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院長:東野 良治

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投稿日:2016年4月3日  カテゴリー:☆☆人気ブログ☆☆, よくある質問, 歯並び・かみ合わせ・矯正治療

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