矯正歯科治療と形状記憶ワイヤー(超弾性ワイヤー、ニッケルチタンワイヤー、NTワイヤー)BLOG

こんにちは、東京都千代田区の矯正歯科専門医院・神保町矯正歯科クリニック院長の東野良治です。*image119[1]

 

「形状記憶合金」ってご存知ですか?

 

「形状記憶合金」はある一定の温度以上では、形態を変形させてもすぐに元の形態に戻る性質を持つ合金のことを指します。

 

矯正歯科治療ではこの形状記憶合金=「形状記憶ワイヤー」を使用しています。

 

実際の金属(ワイヤー)を見ていただきます。

①形状記憶ワイヤー

②変形した状態

➂元の形態に戻った形状記憶ワイヤー

 

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形状記憶合金は、他の金属と比べて②の変形範囲(弾性)が極めて広い性質も持っています。

 

この性質を「超弾性」ともいうため、形状記憶ワイヤーは「超弾性ワイヤー」とも呼ばれています。

 

また、独特のワイヤー特性になくてはならない成分がニッケルNickelとチタンTitaniumであることから「ニッケルチタンワイヤー、NTワイヤー」とも呼ばれています。

 

この形状記憶合金は、矯正歯科以外の分野でも活躍しています。

 

例えば、「眼鏡のフレーム」・「ブラジャー」など、すでに皆様の身近な製品になっているものもあります。

 

現代の矯正歯科治療にとって形状記憶ワイヤーはなくてはならないものです。

*jo_022A

 

 

 

▶細いニッケルチタンワイヤーから太いニッケルチタンワイヤーへ

日本人は顎が小さい傾向にあるため、デコボコの歯列(叢生、そうせい)患者さんの割合が多いです。

サルのクリック日本人の不正咬合の内訳 を参照ください。)

 

そのため、多くの症例では細いニッケルチタンワイヤーを手始めに使用します。

 

なぜなら、ガタガタが大きい歯列の場合、細く柔らかいワイヤーでないとワイヤーが入らないからです。

 

①~④をご覧ください。

 

これだけ不揃いの歯だと硬いワイヤーは入りません。

 

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写真を見ていただければ、なんとなくイメージがわくでしょうか?!

 

注)混合歯列ですが永久歯歯根はほぼ完成しています。

左上の空隙は乳歯が抜けた直後の写真です。

 

 

▶ニッケルチタンワイヤーの特性をさらに生かす、ヒートベンダー

本院では、下図のヒートベンダーという機器を使用しています。

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↑ヒートベンダー;かなり使い込んでいるため、持ち手の部分がやや古くなってきています。

 

 

この機器はニッケルチタンワイヤーの記憶している形を変える目的に使用します。

 

そうすることにより、矯正歯科治療の進行をよりスムーズに行うことができます。

*14-027A

 

 

 

▶まとめ

今回は多くの写真を掲載いたしました。

 

矯正歯科治療にとって、ニッケルチタンワイヤーがなくてはならないものだということがわかっていただけたでしょうか?

 

形状記憶合金の特性をうまく活用することで、より歯が早く動き、より痛みが軽減するような工夫をしています。

 

また、ヒートベンダーを用いることにより、ニッケルチタンワイヤーの特性はさらに生かされます。

 

様々な材料と機器をうまく使いこなす。

 

これこそ、矯正歯科治療の醍醐味です。

歯並びでお悩みの方は是非ご相談ください

院長:東野 良治

歯学博士・矯正歯科専門医である東野良治院長が対応いたします。些細なことでも構いません。お気軽にご相談ください。

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投稿日:2015年10月8日  カテゴリー:歯並び・かみ合わせ・矯正治療

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